光を意識してヘアスタイルを魅力的にする写真撮影のコツ

美容師にとって自らの技術やスタイルをPRするためにInstagramをはじめとしたSNSにヘアスタイルの写真をアップする活動は欠かせません。美しく整えたスタイルをしっかりと伝えるために撮影の知識も必要になります。今回の記事では、サロンに差し込む自然光を見方に付けつつ、ちょっとした工夫でより魅力的なヘアスタイル写真を撮影するポイントを紹介します。

サロンに差し込む光の性質を理解する

まず、サロンの窓の方角を確認しましょう。東西南北、どの方角に窓があったらよいということではなく、その方角から差し込む光の性質をつかむことが重要です。まず、方角ごとの光の性質を見てみましょう。

東側窓

朝から昼にかけて光が注がれます。一般的に朝の光は柔らかく、太陽の角度が上がるにつれて光と影の明暗差が高まります。

西側窓

昼から日没まで光が注がれます。季節にもよりますが15時を過ぎた頃から赤っぽい光に変わります。角度も低くなってくると陰影がくっきりとついてくるので、柔らかく表現したい時にはレースのカーテンなどで光量を調整するなど工夫が必要になります。

南側窓

晴れている日の日中は、どの時間帯でも光が注ぎます。季節・時間帯によって光量が大きく変化するのでその時々で、サロンの立地の光の変化を掴みましょう。

北側窓

北側にある窓には光が直接差し込むことはありませんが、反射して注ぎ込む光は柔らかく全体的に均一的な光となります。その時の太陽の具合の影響を受けづらいので、写真のコントロールがしやすくなるとも言えます。

自然光は一日の中でも、また年間を通しても変化します。朝方・夕方は太陽の高度が低く黄味がかった色合いになり、日中は青味がかかります。どの時間帯の光が、ご自身の表現したいスタイルとマッチするか、まずは色々な時間帯・条件で撮影するとよいでしょう。

光の差し込まない窓際での撮影(北側窓)

ここからはマネキンを使った撮影例を元に解説します。まずは、北側窓。

自然光のみ

左側に大きな窓がある場所で撮影しました。自然光のみだと左右の明暗差が強くなります。

自然光+レフ板

レフ板を併用することで、左右の明暗差を抑えることができました。

自然光+簡易照明

次に簡易照明を使用しました。髪の毛の右上に強めの光を当てることで立体感が生まれました。

光の差し込まない窓際での写真比較

3つの写真を比較しやすくするために並べました。光をどう操るかで印象が変わることが分かると思います。

光の差し込む窓際での撮影(西側窓)

次に西側窓での写真を紹介します。西日差し込む14時頃に撮影しました。

自然光のみ

北側窓と比べてもより明暗差が強くなりコントラストが高まっています。

自然光+レフ板

レフ板を使用することで、左側の髪の毛の表情も感じられる様になりました。

自然光+簡易照明

左側上部にハイライトを置くことで立体感が生まれました。上部に限らず強調したい部分にハイライトを置くべく、照明を当てるということもできます。

光の差し込む窓際での写真比較

光の差し込む窓際での写真を3つ並べました。どの写真が好みか、ご自身のスタイルにあわせて選ばれるとよいと思います。

モデルさんのお顔も写す場合はレフ板が有効

キャッチライト

モデルさんの目、つまり瞳に入っている光のことをキャッチライトと呼びます。生き生きとした表情にして、写真に明るい印象を与えることができる人物撮影のテクニックです。お顔から近い位置にレフ板を置くことでこのキャッチライトをつくることができます。レフ板には光を拡散させる以外にもキャッチライトをつくる効果があることを覚えておきましょう。

使用した簡易照明について

使用した簡易照明はAmazonで1万円台で購入したものです。同じ商品はもう在庫切れになっていましたが、似た商品はたくさんあります。簡易照明を取り入れたいと思った方は、探してみてください。

まとめ

光を意識してヘアスタイルを魅力的にする写真撮影のコツ、いかがでしたか。ヘアスタイルの撮影では、色の強さ、向きなど、どんな光が当たっているのかを意識することが重要です。光の方向は、写真の印象に一番影響を与えます。光を上手に取り入れ、時にはレフ板、照明などで調整してヘアスタイルの魅力を最大限引き出す撮影を心がけましょう。

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